外壁に白い粉を発見したら、それは「チョーキング」現象かもしれません。この記事ではチョーキングの原因、識別方法、なぜ放置してはならないのか、そして対策法について解説しています。劣化した外壁塗装のサインであるチョーキングを理解し、適切な補修方法を学びましょう。
チョーキングとは？
チョーキング現象は、外壁の塗装に使用された塗料の顔料が、劣化して粉っぽくなる現象です。この状態は、外壁塗装の防護機能が低下していることを意味し、この現象を放置すればするほど、建物へのリスクが増大します。外壁のチョーキングは、塗装の再塗装時期の一つの指標ともなり得るため、早期の対処が重要です。
チョーキングが発生する特徴
チョーキングの大きな特徴は、外壁に触れただけで白い粉が手につくことです。外壁の色によっては、粉の色が白以外に見えることもありますが、触れたときに粉が手につく現象はチョーキングの典型的なサインで塗装が時間と共に劣化している証拠です。もし外壁にこのような症状が見られたら、塗装が古くなっている可能性が高いです。また、外壁が濡れたときに色が変わるのもチョーキングが起きている証拠です。
チョーキングはなぜ起こるのか？
主に二つの原因によります。
まず、雨水や紫外線などの自然環境による影響です。外壁は日々、雨や太陽の光にさらされており、特に太陽の紫外線は強力で、塗装を徐々に弱らせてしまします。時間が経つにつれて、塗装が分解し始め、最終的には粉のようになってしまいます。太陽の光が直接当たる場所ほど、この問題が起きやすいです。
2つ目の原因は施工不良です。以前の塗装工事で、施工が適切に行われなかった場合、チョーキング現象が早期に現れる可能性があります。通常、塗装後約10年で自然劣化によるチョーキングが見られることが多いですが、それよりも早く現れた場合は施工時の問題が疑われます。
発生しない素材もある？
チョーキングは一般的に塗装されている壁全般で発生する可能性があります。チョーキングが発生しないものもありますが、現在日本の住まいに使用されている仕上げ材はほとんどがチョーキングが発生しやすいものとなります。下記に具体例を記載します。いずれも塗装されているということが条件となります。
チョーキングが発生する可能性のある壁
- モルタル
- サイディング（金属・木質系・窯業系）
- 木材
- ALC
チョーキングが発生しない外壁の仕上げ
- サイディング（樹脂系）
- レンガ
- タイル
チョーキングの判別方法
手で触って、白い粉のようなものがつくか
チョーキングを確認する簡単な方法は、外壁を触ってみることです。もし指に白い粉やチョークのようなものがつく場合、チョーキングのサインとなります。薄く色がつく程度なら、外壁のリフォームを考える初期段階と見ることができますが、手にはっきりと色がつくほどなら、外壁は既に大きく劣化しています。この場合は、早急に塗り直しを検討することが必要です。外壁の状態を見極め、適切な時期にメンテナンスを行いましょう。
濡れた時の変色はあるか
外壁が濡れた際に色が変わることも、チョーキングが起こっているサインの一つです。特に雨の日に外壁が通常と異なる色に見えた場合は注意が必要です。この変色は、外壁塗料の防水効果が低下していることを示しており、長期間放置すると、雨水が建物内部に侵入し、さらなる損傷を引き起こす可能性があります。
なぜ放置してはいけないのか？
チョーキングは外壁の塗膜が劣化し、本来の保護機能を失っている状態を指します。この状態では、外壁が雨水などの影響を直接受けやすくなり、防水機能が大きく低下してしまいます。放置すると、外壁が水を吸収しやすくなり、その結果、藻やコケ、カビの発生原因となるだけでなく、最終的にはクラックと言われる、ひび割れのような深刻な損傷を引き起こす可能性があります。
既にクラックが発生してしまっている場合は、こちらの記事を参考にしてみてください。
補修の方法
再び塗装をして補修
チョーキングによる劣化した外壁は、新たに塗り直すことで修復します。この時、特に推奨されるのが「ラジカル塗料」です。この塗料は、チョーキングの原因となる活性酸素（ラジカル）の作用を抑え、外壁を長期間保護する効果があります。
また、補修作業を始める前に、高圧洗浄を使って既存のチョーキングをしっかりと取り除くことが重要です。これは、新しい塗料がしっかりと外壁に密着するために必要な工程となります。既存の劣化した塗膜を完全に除去し、新しい塗装を施すことで外壁は再び保護された状態に戻ります。
知識や技術が必要なためDIYでは厳しい
DIYでチョーキングの問題を解決しようと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には専門的な知識や技術が必要です。チョーキングを適切に除去し、外壁塗装を正しく施工するためには、業者への依頼をお勧めします。
硬いブラシやスポンジで外壁をゴシゴシと擦ると、外壁に傷をつけてしまうリスクがあり、さらなる補修が必要になることも。また、高所での作業は落下などの危険も伴うため、安全面での問題も考慮する必要があります。このようなリスクを避け、確実に美しい仕上がりを目指すためにも、外壁塗装は専門の業者に依頼することをお勧めします。
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