実家の処分どうする?流れやポイントを解説します。

相続物件

実家の相続と処分は親の死後に残された大切な不動産の売却のため、感情的な問題もあり複雑なプロセスになります。相続人だけでなく、他の親族の感情的な問題もあり、一筋縄ではいかない手続きになります。この記事では、実家を相続する際の課題、親が亡くなる前に準備しておくべきこと、亡くなった後の手続きの流れ、そして処分で揉めたときの解決策を詳しく解説しています。相続人間での意見の不一致、処分にかかる手間と時間、空き家になった実家が引き起こす問題など、様々な課題を克服するための具体的なアドバイスが提供されています。適切な準備と対応策を学び、実家の相続と処分を円滑に進めるための参考にしてください​​。

実家を相続する際の課題

遺産分割で揉めることがある

実家のような不動産は、相続財産の中でも特に高い資産価値を持つため、相続が発生すると相続人間で意見が分かれやすくなります。現金と異なり、容易に分割できない性質が、誰が実家を引き継ぐか、またはどのように処分するかを決定する過程を複雑にします。このため、公正な解決策を見つけることは一層難しくなります。

実家は処分に手間と時間がかかる

実家を相続して処分する場合、その過程は多くの手続きと費用を伴います。家族が既に別の住居を持っている状況では、建物の解体や土地の更地化、その後の土地の売却や有効活用に至るまで、様々な段階を経ます。これには遺品の整理、不用品の処分、土地の測量や建物の解体にかかる費用など、多岐にわたる経費が発生します。これらの手続きと費用の負担方法について、慎重に計画を立て、決定する必要があります。

空き家になった実家が引き起こす様々な問題

両親が亡くなり、実家が無人の状態が続くと、空き家になってしまうリスクがあります。空き家問題は社会的にも深刻な問題であり、「空き家対策特別措置法」を通じて国も積極的に対策を講じています。空き家状態がもたらす問題は大きく分けて物理的、経済的、社会的な側面があります。

物理的な問題には、建物の急速な劣化が含まれます。これは放火や倒壊のリスクを高め、外部に対する損害リスクも増加させます。経済的な面では、資産価値の減少に加え、維持費の増大や固定資産税の負担増があります。社会的な問題としては、不法侵入や不法投棄が挙げられ、これらは所有者に追加の費用負担を強いることになります。

実家が空き家になる前に対策を講じることは、これらのリスクを避けるためにも非常に重要です。建物の撤去や適切な処分、リフォーム等にかかる費用も考慮し、早期の対応が求められます。

親が亡くなる前にやっておいた方がいいこと

実家の取り扱いをどうするのか話し合うこと

親がまだ健在のうちに、実家をどう扱うか―処分するのか、相続するのか―を家族や親戚と十分に話し合っておくことは極めて重要です。相続が発生する前に、親が実家の処分に同意しているかどうかを明確にしておくことで、将来的なトラブルを避け、円滑な処理が可能になります。

このプロセスで考慮すべき主なポイントは以下の通りです:

  • 実家の所有権の状況は?共有名義の場合、どのように扱うか?
  • 実家を相続する場合、誰がその権利を持つのか?
  • 実家の処分を決定した場合、手続きを進めるのは誰か?その費用はどのように分担するか?
  • 実家以外にも相続財産が存在するか、そしてそれらをどのように分配するか?

早期にこれらの問題に対処し、適切な計画を立てることで、未来の相続手続きをスムーズに進めることが可能になります。

自宅の登記簿謄本を取って権利などを確認しておく

親が亡くなる前に、自宅の登記簿謄本を取得することは重要です。もし登記簿謄本の取得経験がない場合は、この機会に手続きを経験しておくことが推奨されます。自宅だけでなく、他に所有する不動産がある場合も、それらの登記簿謄本を取得しておくと良いでしょう。

登記簿謄本を取得する際には、最低限以下の2点を確認してください:

  • 名義人は誰か?例えば、名義が曽祖父のままになっていないか、確認が必要です。そのような場合、未処理だと予期せぬ親戚から実印を取得する必要が生じる可能性があります。
  • 地積測量図が添付されているか?これは不動産の正確な面積を把握するために重要です。

これらの情報を事前に整理しておくことで、将来的な手続きがスムーズに進むだけでなく、不動産の処分や相続においても適切な対応が可能になります。

その他に売却などの処分のために必要な書類は下記となります。

  • 各種身分証明書、印鑑、および印鑑証明書
  • 登記済権利書(または登記識別情報)
  • 建築確認済証および検査済証
  • 確定測量図
  • 固定資産税納税証明書
  • 固定資産税評価証明書

これらの書類がすぐに見つからない場合は、市役所や不動産会社に相談してみることが有効です。売却プロセス開始時に全ての書類が揃っている必要はなく、手続きの進行中に準備を進めることも可能です。この準備を通じて、売却プロセスがスムーズに進行し、不必要な遅延を避けることができます。

土地の測量を前もってやっておくことも検討

実家を処分する前に、土地の境界確認は非常に重要なステップです。売却や他の処分方法をスムーズに進めるためには、土地の境界が明確に定められている必要があります。これは、隣接地との所有権争いを避けるため、また正確な土地の面積を把握するために不可欠です。

長年にわたって測量が行われていない土地では、境界が不明瞭になっていることがあります。この場合、「確定測量図」の有無を確認することから始めましょう。確定測量図があれば、土地の境界が法的に確定しており、特に問題はありません。

確定測量図がない場合は、「筆界確認書」の存在を確認してください。筆界確認書は、隣接地の所有者との間で境界に関する合意が記録された文書です。この文書があれば、境界に関する合意が存在することが証明されます。

さらに、隣接地だけでなく、道路との境界についても確認が必要です。この確認は、該当する道路を管轄する地方自治体に問い合わせることで行えます。

もし確定測量図や筆界確認書がない場合、正式な「確定測量」を行うことが必要になります。確定測量は、土地の正確な境界を決定するための法的な手続きであり、土地所有者、隣接地所有者、測量士、そして場合によっては地方自治体の代表が参加します。

住宅ローンの残高を確認しておく

実家に関連する住宅ローンの残債を事前に確認することは、相続や売却プロセスを円滑に進める上で重要です。住宅ローンの残債を把握することで、相続や売却に必要な費用の見積もりが可能になり、相続人が負担すべき借金の量も明らかになります。これは、実家の処分計画を立てる際に考慮すべき重要な要素であり、相続人間での話し合いを有効に進めるための基礎情報を提供します。

住宅ローンが残っている状態では売却が困難であるため、売却を通じて住宅ローンを完済する計画が可能かどうかも検討する必要があります。

住宅ローンの残債は、以下の方法で確認できます:

  1. 金融機関から受け取った返済予定表を確認。
  2. 住宅ローン契約を結んだ金融機関のインターネットバンキングを利用して確認。
  3. 金融機関から送られる確定申告用の残高証明書を確認(毎年10月下旬頃)。
  4. 金融機関の窓口で残高証明書を発行してもらう(一部手数料が発生する場合あり)。

遺言を残してもらう

継承問題をスムーズに解決するためには、親が健在のうちに生前分割を検討することが理想的です。特に、先妻や後妻との間に子供がいる場合や、介護に尽力した家族がいる状況では、遺言の作成が特に推奨されます。遺言によって、財産の分配に関する明確な意向を残すことができ、将来的なトラブルを避けることが可能になります。このプロセスを通じて、親の意向に基づいた公平な財産分配が実現できます。

亡くなった後に実家の処分をする際の手続き

まずは遺言の確認

実家を処分する前に、遺言書があるかどうかを確認することは、手続きの初歩的かつ重要なステップです。遺言書には故人が遺産の分配に関する意向を記したものであり、公正証書遺言、自筆証書遺言、秘密証書遺言の三つの形式が存在します。どの形式も、特定の法的要件を満たす必要がありますが、公正証書遺言が最も一般的です。

特に相続人が複数いる場合、遺言書による明確な指示が相続のプロセスを円滑にします。

遺言書の有無や内容を確認するためには、故人が過去に相談していたかもしれない弁護士や税理士に問い合わせることが一つの方法です。これらの専門家が遺言書の存在を知らない場合でも、公正証書遺言の検索は公証役場で行えますし、自筆証書遺言は故人の銀行の貸金庫や実家の重要書類が保管されている場所で見つかる可能性があります。

遺言書を見つけ出し、その指示に従うことは、故人の最終意志を尊重し、相続に関するトラブルを避けるために不可欠です。

遺言がある場合

遺言書が存在する場合、故人(被相続人)の遺志に基づいて遺産の分配が行われます。遺言書には、相続の具体的な割合や、特定の人物への財産分配の権限委譲が記されていることがあります。

遺言書には公正証書遺言自筆証書遺言秘密証書遺言の3種類があり、公正証書遺言や法務局に保管されている自筆証書遺言は追加の手続きなしで法的に有効です。一方で、他の自筆証書遺言や秘密証書遺言は、有効化するためには家庭裁判所での検認が必要となります。検認プロセスを通じて「検認済証明書」が発行されることで、遺言の効力が認められます。ただし、遺言が法的な形式を満たしていない、あるいは内容が不明瞭である場合、その遺言は無効となる可能性があります。

遺言書を検認なしに開封してしまうと、5万円以下の過料が科されることがありますので注意が必要です。遺言書の存在を確認した場合は、速やかに家庭裁判所に連絡し、適切な手続きを取ることが重要です。

遺言がない場合

遺言書が存在しない場合、遺産の分割は民法に定められた基準に従って相続人間で決定されます。相続人の範囲と相続順位は法律で定められており、第一順位には故人の子供やその子孫が、第二順位には故人の親が、そして第三順位には故人の兄弟姉妹や甥姪が位置づけられます。配偶者は状況に関わらず常に相続人となります。

遺言書がない状況では、全ての相続人が参加する「遺産分割協議」を通じて遺産の分割方法を決めることになります。この協議は、相続人全員の合意を目指すもので、直接会合を開く、メールや書面を交換するなど、様々な方法で実施されます。

相続に関するトラブルが近年増加していることを踏まえ、両親が健在なうちに家族や親族間で相続について積極的に話し合うことが推奨されます。このような予備的な対話は、将来的な相続の際に生じる問題を未然に防ぐために有効です。

遺言がない場合には遺産分割協議を行う

遺言書が存在しない場合、遺産分割協議を通じて財産の分割方法を決定することが必要です。相続の方式には、「現物分割」「代償分割」「換価分割」「共有分割」という四つの主要な方法があり、これらは実家の所有権や相続財産をどのように分配するかに関わるものです。選択した分割方法により、財産の帰属や相続人の責任も変わってくるため、各方法の利点と欠点を慎重に検討することが重要です。

相続が複数人によって行われる場合、遺産分割協議書の作成が必須となります。この協議書は、相続財産の分配に関する合意内容を記載し、全相続人の署名と捺印をもって正式化します。形式に特別な規定はなく、自由書式で作成可能ですが、分配内容の明確化と全相続人の同意が法的要件となります。

遺産分割協議書は、不動産の名義変更手続きや被相続人名義の預貯金の引き出し時に要求されることがあります。この書類は全相続人の合意を示す重要な証拠となるため、遺産分割協議が円滑に進むよう、早期の開始が望ましいです。

協議がスムーズに進まない場合、弁護士や司法書士の介入を検討することも一つの解決策です。専門家による介入は、相続人間の利害調整や財産分配のプロセスを効率化し、紛争を解決に導くための有効な手段となり得ます。

現物分割のメリット・デメリット

現物分割とは、相続財産を物理的に分割し、相続人それぞれが具体的な資産を受け取る方法です。例えば、家、土地、現金を3人の相続人が分け合う場合、一人は家を、別の一人は土地を、もう一人は現金を受け取る形になります。

この方法の最大のメリットは、相続財産のうち特定の資産(例えば実家)を単独で処分する能力を持つことです。名義人が独断で売却に関する決定を下せるため、売却過程での価格調整や買い手選定など、柔軟な対応が可能になります。これにより、複数の意見を調整することなく、スムーズかつ効率的に不動産を処分できるという利点があります。

一方で、デメリットとしては、具体的な資産の価値が相続人の期待する相続分と一致しない場合があることです。現物の価値が不均等であるため、希望する相続分に見合った財産を受け取ることが困難になりうるのです。また、どの資産を誰が受け取るかに関して、相続人間で意見が対立する可能性があります。これらの問題は、相続における紛争の原因となり得るため、現物分割を選択する際は、これらの点を慎重に検討する必要があります。

代償分割のメリット・デメリット

代償分割とは、一人の相続人が遺産全体またはその一部を相続し、その代わりに他の相続人へ現金や他の資産で相続分に相当する価値を補償する方法です。この方式の最大の利点は、特定の財産(例えば実家)を一人が単独で継承できる点にあります。これにより、その財産の処分や管理をより柔軟に行うことが可能になります。

しかし、代償分割の主なデメリットは、この方式が適用可能であるためには、遺産を継承する相続人が他の相続人への補償を行うだけの十分な財力を持っている必要があることです。この条件が満たされない場合、代償分割は現実的な選択肢とはなり得ません。さらに、相続人間で遺産の価値について合意に至ることが必要であり、この過程で意見の相違が生じる可能性があります。代償分割を行う際には、全ての相続人が合意に達する必要があるため、事前の十分な話し合いが求められます。

換価分割のメリット・デメリット

換価分割とは、実家を含む遺産を売却して現金化し、その後で相続人間で現金を分配する方法です。この方法の主な利点は、相続財産の公平な分配を容易に行える点にあります。現金化することで、各相続人が希望する相続分を正確に受け取ることが可能となり、相続における争いを避けることができます。

しかし、デメリットとしては、遺産を現金化することに反対する相続人がいる場合、この方法を採用することが困難になる可能性があります。特に、実家などの不動産に対して特別な価値を見出す相続人がいる場合、その意見の相違が問題となることがあります。

さらに、遺産を現金化する過程で、共有名義になる可能性も考慮する必要があります。共有名義の場合、全名義人の合意がなければ不動産の売却やその他の重要な決定を行うことができなくなります。これにより、実家の売却やその他の処分に際して、意思決定の遅延や合意形成の難しさが生じることが懸念されます。このため、換価分割を検討する際には、これらの点を含めた十分な検討が必要です。

共有分割のメリット・デメリット

共有分割は、相続財産(例えば実家や土地)を相続人間で持分に応じて共有する分割方法を指します。この方法のメリットは、相続財産を現金化する必要がなく、直接的な金銭のやり取りが生じないため、相続時の争いを最小限に抑えることが可能である点です。

しかし、デメリットとしては、財産の共有により、将来的な管理や利用に関する意見の相違が生じやすく、特に相続人の死後、その相続人の配偶者や子どもなどの新たな相続人間で複雑なトラブルが発生するリスクがあります。共有財産の管理や将来の処分に関して、共有者全員の合意が必要になるため、意思決定が困難になることも共有分割の大きな欠点です。

実家の処分を最終的な目標としている場合、共有分割はその選択肢としては不適切な場合が多く、長期的な視点で見た場合の対立や管理の負担を考慮する必要があります。

下記のブログに共有持分となってしまった不動産の売却についても記載がございます。その後の維持管理の費用負担について共有者同士での揉め事を避けるためにも共有状態は避けるべきと言えるでしょう。

実家の名義を変更する

遺産分割が決定した後は、実家の名義変更を行うことが次のステップです。名義人が更新されていないと、不動産の売却などはできないため、相続によって実家を引き継いだ場合は、法務局にて「所有権移転登記」の申請が必要になります。

名義変更に際して必要な書類には、相続人全員の戸籍謄本や住民票の写し、故人の戸籍謄本や住民票の除票、固定資産評価証明書、相続関係説明図、登記申請書などがあります。これらの書類は、主に市区町村の役場で取得することができます。

名義変更を行う際には、実家が位置する地域を管轄する法務局への申請が必要であり、申請には計画的な準備が推奨されます。共有名義にする場合、相続人全員の同意が必要であり、相続人全員の印鑑証明書と遺産分割協議書も提出する必要があります。

所有権移転登記にかかるコストには、「登録免許税」が含まれます。この税金は固定資産の評価額に基づき計算され、相続の場合の税率は0.4%です。例えば、固定資産税評価額が2000万円の不動産の場合、登録免許税は約8万円になります。

多くの場合、所有権移転登記の手続きは複雑であり、多くの書類が必要です。そのため、司法書士に手続きを代行してもらうことも一般的です。登録免許税と司法書士の手数料を含めた総コストは、おおよそ10万円から20万円程度を見込んでおくと良いでしょう。

遺品の整理を行う

相続後にやるべきこととして、または実家を処分する前段階として、遺品整理を行うことが必要となります。また売却を検討する場合には、遺品整理を行い実家を空き家状態にすることが必要です。この過程では、故人の思い出が込められた家具や品物を適切に取り扱う必要があり、可能であれば生前に故人の意向を反映させた処分計画を立てておくことが望ましいです。

遺品整理をスムーズに進めるためには、初めに整理の計画を立て、必要に応じて遺言書の内容を確認し、遺品をカテゴリー別に分類する作業から始めます。この準備作業が整った後、実際の整理作業に着手します。遺品整理は、自分自身で行う方法と、専門の遺品整理業者に依頼する方法の二通りがあります。どちらの方法を選択するかは、整理する遺品の量、処分までの期間、予算、そして遺品に対する家族の感情など、様々な要因を考慮して決定することが重要です。

自分で遺品の整理を行う場合

遺品整理を自分で行う際は、まず処分すべき物品を分類していくことから始めます。一般的に、燃えるごみや燃えないごみは比較的処分しやすい部類に入りますが、リサイクル可能なアイテムや特殊な処理が必要な物品も存在します。これらの物品については、リサイクルセンターや廃品回収業者に依頼することで、適切に処理することが可能です。廃品回収業者は、粗大ごみなど自治体の回収が難しい物も含めて一括で回収してくれるため、非常に便利です。

遺品整理の過程で、感情的な価値が高く手放すのが難しい品もあるかもしれません。しかし、収納スペースには限りがあり、現実的な制約を考慮する必要があります。そのため、思い出深い品でも現実的な保管可能範囲内で選別し、必要に応じて手放す決断が求められる場合があります。このプロセスは、遺品整理を通じて故人との思い出を整理し、新たなスタートを切るための一歩ともなります。

業者に頼む場合

遺品整理を専門業者に依頼する方法が、近年ますます一般的になっています。実家が遠方にあり、仕事や日常生活の忙しさから自ら遺品整理を行う時間が取れない場合、専門業者の利用は有効な選択肢です。遺品整理業者は見積もりから契約、仕分け、処分まで一手に引き受けてくれます。料金は実家の状況にもよりますが、一般的には25万円から70万円程度が市場相場とされています。

実家への往復交通費、粗大ごみの処分費用、さらには物理的な負担を考えると、業者に依頼するコストは結果的に経済的であるとも考えられます。遺品整理を自分たちで行うか、専門業者に依頼するかは、家族内で十分な話し合いを行った上で決定することが重要です。業者選びにあたっては、サービス内容、料金体系、信頼性などをしっかりと比較検討することが望まれます。

仏壇、神棚、お墓の扱いについてどうするか

実家にある仏壇や神棚の扱いについては、それらを移動させるか処分するかを決定する必要があります。これらの精神的価値のある物の扱いに際しては、適切な供養や祈祷を寺社に依頼することが重要です。

仏壇の移動や処分には、お寺の住職による供養(魂抜き)が必要です。移動する場合は、新しい設置場所でも再び供養を行います。処分する際も、同様に供養後に仏壇店や不用品回収業者への引き渡し、あるいは粗大ごみとしての処分を検討します。供養の必要性は宗派によって異なるため、事前に実家の菩提寺に確認することが推奨されます。

神棚の場合、処分する際は祀っていたお札を神社に返納し、神棚自体は神社でのお焚き上げを依頼するか、自治体の規定に従って処分します。

お墓の移転には、自治体への「改葬」申請が必要です。このプロセスには、菩提寺や墓地の管理団体との相談、改葬法要、墓石の解体費用などが含まれます。

仏壇、神棚、お墓の処理を行う際は、故人の意志、家族の希望、宗教的慣習を尊重し、適切な手続きを踏むことが大切です。

実家の処分で揉めたときにどうするか

実家の処分は、家族間で意見の相違が出やすいデリケートなプロセスです。処分をスムーズに進めるために、以下の四つのポイントを心掛けることが重要です。

  1. 遺産分割に関する意見の相違がある場合は調停を利用する: 相続人間で意見が分かれることはよくあります。このような状況では、家庭裁判所に調停を申し立てることで、中立的な立場からの解決を図ることができます。
  2. 共有名義での処分を検討する場合、各自の手元に残る金額を明確にする: 共有名義での処分には、売却後の収益分配について全員の合意が必要です。分配額に関して前もって合意形成をしておくことで、後のトラブルを防ぎます。
  3. 専門家への相談を積極的に行う: 法的な問題や処分の手続きに不安がある場合は、弁護士や不動産専門家、相続専門家に相談することが推奨されます。専門的なアドバイスを受けることで、不明点を解消し、適切な処分プロセスを進めることができます。

遺産分割に関する意見の相違がある場合は調停を利用する

実家の処分に関連する遺産分割で意見が割れる場合、遺産分割調停を活用することが重要です。相続人間での協議だけでは解決が困難な状況が生じた際、続けざまに努力しても、時間の浪費と関係の悪化を招く恐れがあります。このような状況を避けるため、意見の相違が生じた際は、家庭裁判所に調停を申し立てることをお勧めします。調停では、中立的な立場の調停委員が参加し、双方の意見を聞きながら妥協点を見つけるための話し合いをサポートします。

調停を通じても合意に至らない場合は、遺産分割審判に進むことになりますが、これにはより長い時間が必要となる可能性があります。よって、調停段階での解決を目指し、可能な限り円滑な遺産分割を達成することが望まれます。

共有名義での処分を検討する場合、各自の手元に残る金額を明確にする

共有名義で実家を処分する際にトラブルを避けるための重要なポイントは、事前に売却から手元に残る金額を明確にすることです。共有名義の不動産を売却するには、全ての名義人の同意が必要になります。この過程で、売却額と各名義人の受け取る金額の合意に達することが、スムーズな売却へのカギとなります。

事前に売却予想価格を基に、手元に残る金額を計算し、全名義人と共有することで、後の誤解や不満を防ぎます。このプロセスでは、売却にかかる費用、税金、その他の経費を考慮に入れ、最終的な手取り額を正確に把握することが重要です。各自が受け取る金額についての明確な認識を持つことで、売却プロセスが円滑に進行し、家族間の不和を避けることができます。

困った時の相談先となる専門家

実家の処分に関して問題が生じた際、専門家に相談することは非常に重要です。実家の処分や相続は、多くの人にとっては稀な経験であり、法律や税務の複雑さ、さらには家族間の意見の相違など、様々な問題が生じる可能性があります。

問題の性質に応じて、以下の専門家のサポートを検討することが推奨されます:

  • 弁護士:相続に関する法的トラブルや紛争の解決。
  • 税理士:相続税の計算、申告手続き、節税対策に関する相談。
  • 司法書士:不動産の名義変更や登記に関する手続き。
  • 行政書士:遺産分割協議書の作成や戸籍謄本の取り寄せなど。

専門家への相談を通じて、適切なアドバイスやサポートを受けることで、問題を円滑に解決し、不必要なトラブルやストレスを最小限に抑えることが可能になります。適切な専門家を選ぶことは、その問題を解決へと導く鍵となりますので、早めに相談を検討することが望ましいです。

まとめ

このブログでは、実家の相続における課題、相続税の申告、手続き方法を詳しく説明してきました。相続は多額の金額が関わる上、家族間の利害関係やセンシティブな問題を含むため、相続は複雑でデリケートな問題です。相続が発生する前に、関係者を集め、相談や準備を行うことが重要です。不動産処分を検討している方は、事前に本ブログを参考にし、弊社へのお問い合わせをお待ちしています。お電話やメール、LINEを含む各種問い合わせ方法で対応しています。

泉俊佑

Sity,Inc.代表の泉俊佑です。同社は空き家や事故物件などの売れにくい不動産の買取再販を行う不動産業者です。同社が運営しているサービスサイトである「瑕疵プロパティ買取ドットコム(瑕疵プロ)」の運営者も務めています。宅地建物取引士。

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