飛び降り事故が発生したマンションにはお祓いは必要か?

事故物件

飛び降り事故が発生したマンションでのお祓いの必要性について、本ガイドでは詳細に解説しています。お祓いが常に必要なわけではないものの、買い手に安心感を与えるためには重要です。特に飛び降り自殺があった際には、マンション全体のお祓いを考慮すべきです。お祓いを行うタイミング、依頼先、必要な費用、当日のマナーについても詳しく説明し、手間をかけずに事故物件を売却する方法も提案します。供養後の告知義務についても触れています。

事故物件にお祓いは必要か

お祓いは必ずしも必要なわけではない

事故物件の所有者は、そのお祓いの必要性について疑問を持つことがあります。法的には、事故物件のお祓いを行わずに販売または賃貸することに何の問題もありません。お祓いの有無に関わらず、事故物件の売却や賃貸は可能です。しかし、住宅建設前の地鎮祭のように、事故物件におけるお祓いは精神的な安心を提供し、将来の入居者や購入者に対する配慮として行うべきと考えられます。お祓いは事故の影響を払い清め、物件の価値を高める一助となり、新たな入居者や購入者に安心感を与えることが期待されます。

買い手に安心感を与える

事故物件の所有者は、お祓いの必要性について疑問を持つことがありますが、法的な観点からは、お祓いを行わなくても事故物件の売却や賃貸は可能です。しかしながら、住宅建設前の地鎮祭と同じく、事故物件でのお祓いは精神的な安心感を提供し、将来の入居者や購入者への配慮と見なされるべきです。お祓いにより、事故の不幸な影響を払い清め、物件の価値を向上させることが期待されます。これは、新たな入居者や購入者にとっても安心感を与え、物件の魅力を高める要因となるでしょう。

飛び降り自殺の際はマンション全体のお祓いを

マンションの一室など占有部で自殺があった場合と、飛び降り自殺などにより部屋の外で自殺が発生した際においては、一室のお祓いと合わせてマンション全体のお祓いも行うことが望ましいでしょう。マンションの規模や自殺の内容により影響を受けることになりますが、費用としては数万から10万程度が相場となるようです。

事故物件のお祓いを行うべき時期

特殊清掃が必要な部屋

特殊な事情を抱えた物件、例えば自殺や刺殺などの悲劇が起きた部屋では、特殊清掃が必要になることがほとんどです。特殊清掃は、その場所に残された衛生的な問題や、死後の身体の変化に対処するために行われます。このような状況では、特殊清掃業者の専門的な知識と技術が必要になります。特殊清掃が必要な事故の現場では特殊清掃終了後にお祓いを行います。

特殊清掃については下記の記事にまとめてありますのでご参照ください。

リフォームを行う場合にはその前後で調整が必要

事故物件におけるお祓いのタイミングとして、特にリフォームを行う前後が重要です。事故により特殊清掃だけでは取り切れない汚れが発生した場合、例えば血液や体液がフローリングに染み込んだ場合、リフォームが必要になります。この際、部分的なリフォームでは事故の痕跡が視覚的に目立ってしまうため、例えばフローリングの場合は部屋全体のリフォームが推奨されます。これは、部屋の一部だけをリフォームすると、事故のあった箇所が目立ってしまい、将来の買主や借主が事故について常に意識してしまうリスクがあるためです。従って、リフォームによって事故の痕跡を完全に除去し、部屋全体の統一感を保つことが重要とされています。

事故物件のお祓いはどこに依頼するべきか

祖先のお墓がある寺院での相談可能性

祖先のお墓がある寺院には、多くのケースで相談が可能です。寺院は代々の先祖を祀る場所であり、長い歴史と信仰の象徴となっています。特に、家族が長年にわたり信仰を続けてきた寺院であれば、料金や相場についての具体的なアドバイスを得られる可能性や相談可能な場合が多いです。また、多数の部屋を持つ寺院では、事故物件の浄化について豊富な経験と知識を持つ僧侶がいることも多いです。しかし、全ての寺院が物件の浄化に対応しているわけではないので、先に電話やメールで相談可能かどうかを確認しましょう。さらに、一部の寺院では、物件の浄化だけでなく、その後の供養や祈祷も行ってくれる場合があります。

神社では不動産の浄化や供養を扱っている事例

神社においても、不動産の浄化をおこなう事例が多く見られます。特に、地域に密着した神社では、住む人々の生活を支えるため、事故物件の浄化を含む多様な供養を行っています。神職は神事により、物件の清浄化を神々に祈願します。具体的な神事の内容は、神社ごとに異なり、神職が物件を訪れて神事をおこなうことが一般的です。また、神社での浄化には、神職の交通費や神事の料金など、さまざまな費用が発生します。そのため、事前に料金の相場を確認することが推奨されます。浄化を依頼する際は、必ず神社に事前連絡をし、神職と打ち合わせを行うことが大切です。

事故物件の浄化のための費用は約3万~10万円

事故物件におけるお祓いの料金は、事故の性質によって異なり、一般的には3万円から10万円の範囲とされています。具体的には、以前の住人の死因に応じて料金が変動します。以下に、死因別のお祓い料金の目安を示します:

  • 病死の場合は約3万円。これは自然な死因であり、人生の一部とされるため、相場は比較的低めです。
  • 自殺によるものは約5万円。こうした死因はより悲惨とみなされるため、料金がやや高くなります。
  • 殺人事件が関与する場合は約7万円。この種の死因は特に不穏な要素を含むため、さらに高い料金が設定されます。
  • 無理心中の場合は約10万円。これは最も悲惨な状況と考えられるため、最も高い料金帯となります。

これらはあくまでも目安であり、亡くなった人の死因の悲惨さに比例して料金が高く設定されることが一般的です。

事故物件のお祓い当日のマナー

お祓い当日の服装

お祓いの際には、敬意を表し、場の雰囲気に適した服装を心掛けることが重要です。男性は、一般的にスーツとネクタイを選ぶことが望ましいです。スーツを着用しない場合は、派手過ぎない色のシャツとジャケット、及び無地のスラックスが適切です。靴は、カジュアルなスニーカーではなく、革靴を選ぶと良いでしょう。

女性においては、男性と同様に落ち着いた色調のワンピースやスーツが適しています。もしくは、襟付きの上着にスカートやパンツを組み合わせるスタイルも良い選択となります。

子供の場合、学校の制服が最適です。制服がない場合は、落ち着いた色の洋服を選ぶことが推奨されます。これらの指針は、お祓いの儀式に対する敬意を示し、適切な礼儀を守るために大切です。

お祓い料の支払方法

お祓いの際の料金支払いには、特定のマナーが求められます。お祓い料は、事前に水引封筒か白い封筒に入れて準備します。水引封筒には「結びきり」という特別な結び方が用いられ、「二度と同じ事が繰り返されないように」という意味が込められています。また、封筒には「のし」として「初穂料」と記載します。初穂料とは、神社での行事や儀式に対して納められる謝礼金のことを指し、この場合、お祓いに対する感謝と敬意を示すために用いられます。このような細やかなマナーは、お祓いの儀式の尊重と、事故物件の精神的な浄化に対する真摯な姿勢を表すために重要です。

お祓いにかかる時間

お祓いの儀式に掛かる時間は、一般的に約15分から20分程度です。重要なのは、お祓い自体の時間だけではなく、儀式に必要な準備にも注意を払うことです。祭壇の設置やお供え物の準備などが必要になるため、予定されたお祓いの開始時刻の少なくとも30分前には現地に到着しておくことが望ましいです。これにより、儀式の準備が円滑に行われ、お祓いが予定通りに進行することができます。お祓い当日は、このような時間管理と準備の面でも、マナーを守ることが重要となります。

なるべく手間をかけずに売却したい場合の選択肢

事故物件は買取業者に売却する

事故物件を効率的に売却したい場合、仲介業者を通すよりも、直接買取業者へ売却することをおすすめします。これには以下のような複数のメリットがあります:

  1. リフォームや解体不要: 買取業者は物件を現況のまま購入するため、リフォームや解体などの追加費用が発生しません。
  2. 迅速な現金化: 契約から引き渡しまでの期間が短く、最短で1週間程度で現金化することが可能です。
  3. お祓いの必要なし: 事故物件を買取業者に売却する場合、お祓いを行う必要がないことが多いです。

このように、買取業者に売却することには、現状のままでの買取りや速やかな現金化といったメリットがあり、事故物件の売却において手間や時間、コストの削減につながります。

供養後も告知義務は無くならない

最後にもう一つ大切なことを申し上げると、供養終了後も不動産について行った事故などの心理的瑕疵の告知義務は無くならないということに注意を払う必要があります。

2021年10月に国土交通省から、人の死に関するガイドラインが発表されています。孤独死や自殺が起きた事故物件の告知義務は、賃貸では起きた日から3年、売買では無制限と決められています。

よって、この期間に該当する物件は、事故があった旨を告知しなければなりません。つまり、お祓いをしても告知義務は残ります。なお、告知義務を故意過失問わず怠ると、多額の損害倍書を請求される可能性があります。

告知義務については下記のブログを参照ください。

泉俊佑

Sity LLC 代表の泉俊佑です。同社は空き家や事故物件などの売れにくい不動産の買取再販を行う不動産業者です。同社が運営しているサービスサイトである「瑕疵プロパティ買取ドットコム(瑕疵プロ)」の運営者も務めています。宅地建物取引士。

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