空き家の土地でコインパーキング経営を始めるメリットは何か?収益性は高いのか?

空き家

空き家の土地を有効活用する方法として、コインパーキング経営があります。このブログでは、コインパーキングを始める際のポイントや考慮すべき要素を詳しく解説しています。空き家の土地を利用して収益を上げたいと考えている方にとって、コインパーキング経営のメリットとデメリットを理解することは非常に重要です。本ブログでは、土地の有効活用を検討している方々に向けて、具体的なガイドラインを提供しています。

コンパーキング経営のメリット・デメリット

コインパーキング経営のメリット

コインパーキング経営のメリットとしては、

  • 初期費用が安い
  • 始めるハードルが低く、やめることも可能
  • 狭小地や変形地でも始められる
  • 専門知識が不要

などがあります。

低い初期投資で始められる
コインパーキングの運営は、比較的少ない初期投資で始めることができます。アパートやマンション、店舗やオフィスビルのように新たに建物を建築する必要がないため、開業にかかる費用を大幅に抑えることが可能です。借入による返済リスクを避けつつ、土地を有効利用することが可能なため参入障壁が少ない投資方法になります。

柔軟性が高く、事業の開始・終了が容易
建物を建てる必要がないため、地面の整備と必要な設備の設置さえ完了すれば、コインパーキングとして直ちに運用を開始できます。また、将来的に異なる用途で土地を活用したい場合にも、機器を撤去するだけで容易に原状回復が可能です。転用性が高く、資金調達を進めるまでの一時的な土地活用策としても理想的です。

狭小地や特殊形状の土地でも運用可能
最低限必要なスペースが比較的少ないため、狭い土地や不規則な形状の土地でもコインパーキングとして利用することが可能です。例えば、乗用車1台分の駐車スペースに必要なのはおよそ12.5平方メートルとされています。大体車2台と、コインパーキングとしての設備設置のスペース合わせて約10坪あればコインパーキングとしての利用が可能とされています。

特別な知識がなくても運営が可能
一括借り上げ方式を利用すれば、実際の運営業務をコインパーキング管理会社に全て委託することができます。これにより、土地オーナーは専門的な知識がなくても、土地を活用して収益を上げることが可能になります。管理会社が整備、設備の購入、メンテナンス、トラブル対応を全て行ってくれるため、オーナーは土地を提供するだけで済みます。

コインパーキング経営のデメリット

税制上の優遇措置が期待できない
コインパーキングを経営する際のデメリットとして、相続税や固定資産税などの税金軽減措置が適用されない点があります。住宅や商業施設など、建物が存在する土地利用の場合、特定の条件下で税額の軽減が受けられることがあります。これは、建物の存在が土地の価値を高め、その評価額を基に税金が算出されるためです。しかし、コインパーキングのような建物を必要としない土地利用形態では、この種の税額軽減を受けることが難しくなります。

立地条件による収益の大きな変動
また、コインパーキングの運営収益は立地条件に強く依存します。商業地区や観光地の近くなど、人々が集まる場所に設置されたコインパーキングは高い稼働率を見込むことができますが、需要の低い地域では稼働率が低迷し、予想外の赤字に陥るリスクもあります。そのため、運営開始前には地域の駐車ニーズを正確に把握し、収益シミュレーションを行うことが重要です。

コインパーキング経営の方法

コインパーキングの経営方法については主に3種類の方法があります。

  • 自主管理
  • 管理委託方式
  • 一括借上方式

自主管理

自己管理方式によるコインパーキング運営は、土地の所有者が開業の準備から、舗装や精算機などの設備の購入及び設置、そして日々の運営管理まで一手に担う方式です。この方法では、管理業務や設備のメンテナンス、清掃、そして発生するあらゆるトラブルへの対応も土地所有者の責任となります。

この運営形態の最大のメリットは、運営に関わる外部への手数料や管理費用が発生しないため、得られる収入が全て土地所有者に帰属する点です。また、駐車料金の設定も所有者が自由に決めることができますが、市場のニーズに適した価格設定が求められます。

しかし、一方で、この方式では稼働率の向上や維持のために、広告やプロモーションを自身で考案・実施する必要があり、物理的な距離や時間的制約から、自宅から離れた場所での経営や副業としての運営は推奨されません。自己管理方式は、運営に対する熱意と時間を持ち合わせた土地所有者にとって適した選択肢ですが、全責任を自分で負う必要があるため、慎重な検討が必要です。

管理委託方式

管理委託方式は、日常運営に関わる業務―機器の維持管理、清掃、そして発生したトラブルへの対応全般を専門の管理会社に委託する方法です。この方式を選択する最大のメリットは、所有者が直接、日々の管理に関わることなく事業を運営できる点にあります。

経営者は管理会社に委託料を支払う必要があり、この料金は一般にコインパーキングの収入の5%から10%程度に設定されます。料金体系は委託する管理会社によって異なりますが、この支払いにより、経営者はメンテナンスやトラブル対応の手間から解放されます。

この経営方式の採用により、初期投資の他にも、定期的な設備の修理や更新費用が必要になる場合がありますが、時間や労力を節約できるため、自宅から離れた場所にある土地での事業や、副業としての経営に適しています。管理委託方式は、事業の専門知識がない土地所有者でも、比較的容易にコインパーキング経営を始められる選択肢として推奨されます。

一括借上方式

一括借り上げ方式では、専門の運営会社が土地所有者から土地を一括で借り上げ、駐車場の整備から日々の管理までを一手に引き受ける経営モデルです。この方式の大きな利点は、土地所有者が直接運営に関わる必要がなく、初期投資や維持費用の心配もないことです。設備の設置やメンテナンス、日常の管理業務はすべて運営会社の責任となります。

ただし、運営会社への手数料支払いによって、他の経営方法に比べて所有者の手取り収益は低めになります。コインパーキングの収入から15%から20%程度の手数料が差し引かれた後の金額が、毎月土地所有者に支払われる形となります。

この方式の魅力は、管理や運営の専門知識がない人でも、土地を収益化できる点にあります。しかし、駐車場の稼働率に応じて収入が変動するため、収益の最大化を目指す場合には限界があることも認識しておく必要があります。また、契約期間内では土地の用途変更が困難なため、将来的な土地活用計画に柔軟に対応したい場合には、契約内容を慎重に検討する必要があります。

収益シュミレーションをしてみよう!

コインパーキング投資に必要な初期投資とは?

コインパーキング投資にかかる初期費用としては下記のものがあります。

アスファルト舗装費1.3万円から1.6万円/坪
料金精算機40万〜50万
ロック版1台10万程度
照明器具・看板設置費用15万〜20万
設備の設置工事費用40万〜50万
その他諸経費5万円〜10万円

初期費用はアスファルト塗装費と設備費用に大別できます。また別途土地に電気が通っていない場合には電気の引き込み工事を行う必要があります。

予算感としては20坪の土地(車両4台収容可能)で初期費用は170万〜200万程度が必要になります。

一括借上の場合には初期費用が発生しません。

収益シュミレーション

上記の20坪のコインパーキングでそれぞれの管理方式での収益のシュミレーションを行なってみましょう。前提条件として土地の広さは20坪、車両1台に必要な広さは4坪、車両スペースは4台、料金は1時間400円、稼働率は25%とします。

上記の前提とした場合、年間の収入は下記のようになります。

24時間 × 25% × 400円 × 4台 × 365日 = 350.4万円

年間の収入額はおおよそ350.4万円となります。

自主管理

自主管理の場合の初期投資額は171万〜202万程度となります。またそのほかに固定資産税が発生します。固定資産税は平米あたりの課税標準額を8万円(坪26万)とすると、おおよそ平米あたり0.112万円(0.37万円/坪)であり、20坪あたりは7.4万円程度になります。なお、固定資産税の計算は固定資産税の課税標準額に1.4%を乗じた金額がおおよその金額となります。固定資産税評価額は、固定資産税路線価を元に計算(国税庁の路線価とは別)されます。固定資産税路線価は全国地価マップを参照することで確認することが可能です。

初期費用と、固定資産税を初年度の支出として考えると、初年度の収支は下記の通りとなります。

350.4万円 – 202万円 – 7.4万円 = 141万円

2年目以降は初期投資額が発生しないため、下記の通りとなります。

350.4万円 – 7.4万円 = 343万円

委託管理方式の場合

委託管理方式の場合は、初期投資額に加えて管理委託費用が発生します。おおよそ収入の5%〜10%となっています。

初年度の収支は下記の通りとなります。

350.4万円 – 202万円 – 7.4万円 – 35万円 = 106万円

2年目以降は初期投資額が発生しないため、下記の通りとなります。

350.4万円 – 7.4万円 – 35万円 = 308万円

一括借上方式

一括借上方式の場合には初期投資額が発生しないため、下記の通りとなります。

350.4万円 – 7.4万円 – 70万円 = 273万円

それぞれの方法を比較すると

それぞれの方法を比較して10年間運用したとすると、それぞれの収益は下記の通りとなります。

自主管理委託管理方式一括借上方式
初年度141万円106万円273万円
2年目343万円308万円273万円
3年目343万円308万円273万円
4年目343万円308万円273万円
5年目343万円308万円273万円
6年目343万円308万円273万円
7年目343万円308万円273万円
8年目343万円308万円273万円
9年目343万円308万円273万円
10年目343万円308万円273万円
合計3,228万円2,878万円2,730万円

ただしこれらの試算は近隣環境の変化がなく、稼働率がコンスタントに25%で続いた場合を想定しています。あくまで理論上の数値となります。

コインパーキング経営に適したエリア

コインパーキングとしての土地活用は、小規模なスペースからも可能ですが、土地の立地や形状が稼働率に大きな影響を与えます。以下のような条件を満たす土地は、コインパーキングにとって理想的です。

  • 駅や繁華街に近い立地: 人々の往来が多い駅の周辺や繁華街、商業施設の近くなどは、コインパーキングの需要が高くなります。これにはビル群や観光地、病院といった公共施設が近い場所も含まれ、日常的な短時間利用のニーズが見込まれるエリアが望ましいです。ただし、同エリア内での競合状況を事前に調査し、飽和していないか確認することが必要です。
  • 土地前面の道路の幅が5m以上: アクセスの良さも重要な要素です。広い道路に面していることで、車の進入や退去がスムーズに行え、利用者の利便性が向上します。
  • 角地であること: 角地は、車の出入りが容易であるため、コインパーキングに適しています。車の操作がしやすく、道路の幅が狭い場合でも利用しやすいというメリットがあります。しかし、角地は他の用途にも高い価値を持つため、土地の利用方法を選択する際には、収益性を慎重に検討する必要があります。
  • 高低差が少ないこと: 土地自体や、土地と道路との間に大きな高低差がないことも、コインパーキングに適している条件の一つです。平坦な土地は駐車がしやすく、より多くの利用者に選ばれやすいです。土地に傾斜がある場合は、スロープを設置してアクセスの利便性を高めることも一つの解決策となります。

コインパーキング経営のリスク

コインパーキング経営の大きなリスクを3つ説明します。

  • 立地の影響を受けるリスク
  • パーキング内の盗難事故などのリスク
  • 環境の変化によるリスク

立地の影響を受けるリスクとは、立地が悪い場合には稼働率が低下してうまく収益が出ない場合をいいます。周辺の車通りの多さや、近隣施設の存在など、事前に詳細な市場調査を行うことがリスク軽減につながります。

パーキング内の盗難事故などのリスクとは、パーキング内で車上荒らしにあった利用者への金銭的な保証が求められるリスクを言います。基本的には利用者の自己責任となりますが、場合によってはコインパーキングオーナーの責任となる可能性もあります。これらの問題を未然に防ぐために、防犯カメラの設置や、安全性を考慮した駐車場設計が重要です。万が一の事態に備え、適切な保険に加入しておくことも考慮すべきです。

環境の変化によるリスクとは、競合が参入することによる稼働率の低下や値下げのリスクがあります。コインパーキング経営は比較的容易に参入できるため、近くに立地がよく利用料が安いコインパーキングができた場合には稼働率が大幅に低下する可能性があります。稼働率の低下と利用料の値下げにより、思うように初期費用の回収が進まない可能性もあります。

他の土地の利用も視野に入れて専門家に相談する

コインパーキング経営は、特に繁華街に近い狭小地など特定の立地条件下では大きなメリットを享受できます。しかし、住宅地域や道幅が狭いエリアでは、期待するほどの収益を得るのが難しい場合もあります。収益性を高めるためには、適切な立地選びが必須であり、その過程では市場の需要を精確に分析する必要があります。これには専門的な知見が求められるため、慎重な検討が欠かせません。

土地の活用方法としてコインパーキング以外にも、賃貸アパートや貸し倉庫への転換など、多様な選択肢が存在します。これらのオプションは、土地の特性や市場の需要に基づいて選択することが重要です。土地利用の最適解を見つけ出すためには、不動産や土地活用に関する専門知識を持つプロフェッショナルへの相談が強く推奨されます。専門家に相談することで、土地のポテンシャルを最大限に引き出し、持続可能な収益源を確保するための戦略を立てることができます。

迷ったら弊社にご相談を

当社は狭小地や活用方法に悩む土地所有者様向けの専門サービスを提供しています。コインパーキングの運営はもちろん、委託管理や土地の一括借り上げに関する相談にも対応しています。お持ちの土地を有効活用し、最適な収益化策を見つけ出すためには、プロフェッショナルの意見を参考にすることが非常に重要です。私たちはお客様一人ひとりの資金計画や将来設計に合わせた、最適な土地活用の提案を行います。遊休地をお持ちで将来の活用方法にお悩みの際は、ぜひ当社までお気軽にご相談ください。私たちはお客様の土地が持つ潜在的な価値を最大限に引き出すサポートをいたします。

泉俊佑

Sity LLC 代表の泉俊佑です。同社は空き家や事故物件などの売れにくい不動産の買取再販を行う不動産業者です。同社が運営しているサービスサイトである「瑕疵プロパティ買取ドットコム(瑕疵プロ)」の運営者も務めています。宅地建物取引士。

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